漫然と続けるのを、やめてみる

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― 意識して続けたとき、景色は変わる ―

ただ楽しいだけで満足していたわたしが、
“意識して続ける”という選択をしたとき、景色が変わった。

空振りからのスタート

わたしは、大人になってからテニスを始めた。

運動が苦手で、体を動かすことを避け続けてきた子ども時代。
ちゃんとスポーツと向き合うのは、これが初めてだった。

きっかけは、近所にできたテニススクール。
建設中から、その前を通るたびにわくわくした。

「なんだか、この場所はわたしに合う気がする」

そんな直感を、わたしはわりと信じる。

ポストに入っていた「無料体験実施中」のチラシを見て、迷わず申し込んだ。

初めてのレッスン。

初心者用の、いちばん軽いラケットだったのに、
わたしにはずっしり重かった。

コーチがやさしく球出しをしてくれる。
でも、ラケットに当たらない。

空振り。
また空振り。
当たってもフレーム。

「こんなの、できるようになる日がくるのかな」

それでも、運動したあとの爽快感や、レッスン仲間との交流が心地よくて、わたしは週1回、通い続けた。

上達は、正直ゆっくりだった。
でも、楽しければいいと思っていた。

ある日、気づいたこと

2年ほど経ったころ、あることに気づいた。

数年でどんどん上達していく人がいる。
何十年テニス歴があっても、あまり変わらない人もいる。

その違いは、なんだろう。

もしそれが才能や運動神経の差だとしたら。

わたしは、どちらも持っていない気がした。

ずっとこのまま、なんとなく続けるだけなのかな。

それは、少しだけ寂しかった。

えーちゃんとの出会い

そんなとき出会ったのが、漫画『ベイビーステップ』だった。

主人公のえーちゃんは、高校一年生からテニスを始める。
不器用で真面目。最初はまったくできないところからのスタートだ。

わたしは、えーちゃんに自分を重ねた。

彼が徹底していたのは「練習ノート」。
練習後、毎日、自分のプレーを書き出し、
何がよくて、何がだめだったのかを考え続ける。

きのうより、少しできるようになる。
おとといより、少し前に進む。

その積み重ね。

わたしは、えーちゃんに救われた。

漫画のようにはいかないかもしれない。
でも、わたしも、もしかしたら変われるのかもしれない。

漫然と続けるのを、やめてみる

それから、わたしも練習ノートをつけることにした。

練習内容。
コーチの言葉。
自分の気づき。
次に試すこと。

地味な作業だった。

でも、少しずつ変化が起きた。

なんとなく打つのではなく、
「いま何を意識するか」を考えて打つ。

失敗しても、
次の一球で試してみる。

どうやら、漫然と続けるだけでは、景色はあまり変わらないらしい。

楽しいだけの時間も大切。
でも、前に進みたいなら、少しだけ向き合う必要がある。

そう気づいた。

亀の歩みでも

それからわたしは、ほんとうに少しずつ、前に進んできた。

気づけば、自信を持って打てる瞬間が増えていた。
地域のサークルに参加し、試合にも出るようになった。

亀の歩みでも、前に進める。

できないことが、できるに変わる瞬間。

「こんな景色があったんだ」

その瞬間が、たまらなく好きだ。

漫然と続けるのをやめたとき、
テニスはただの趣味ではなくなった。

昨日の自分より、今日の自分が少し前にいる。

それは、とても静かな、しあわせ。

Progress doesn’t happen by chance.
It grows when we pay attention.

(成長は偶然ではなく、
意識を向けたときに育っていく。)

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小さな気づきの日記|a.mélie
静かな日々の中で、ふと心が動いた瞬間を綴っています。 わたしにとっての「やめてみたこと」や「気づいたこと」は、 暮らしを軽くし、心を自由にしてくれました。 ここはそんな、小さな気づきの記録帳です。
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