他人の課題を考えることを、やめてみる

amelie_writer

自分と他者とのあいだに境界線をひいてみる

誰かの機嫌や行動を気にして、ぐったり疲れてしまう。
そんな日々から抜け出すきっかけになったのが、「自分と他者の境界線」という考え方でした。

ーーーーーーーーーーーーーー

幼少期に身についた「アンテナ」

私の父親は、なぜかいつも不機嫌だった。
母親は、いつも無表情で冷酷だった。

そんな両親のもとで育った幼少期のわたしは、常に不安でびくびくしていた。
親のわずかな表情や声色の変化に神経を研ぎ澄ませ、その日1日をどうやり過ごすかばかり考えていたように思う。

思春期になって初めて「この空気は異常だ」と気づき、わたしは早い段階で家を出て暮らし始めた。両親と距離を取れたことは、本当に良かったと思っている。

ただその経験から、人と関わるときに無意識のうちに「アンテナを張りめぐらせてしまう」思考グセが残った。
周囲とはうまくやれる反面、とてもエネルギーを消耗し、1日が終わる頃にはぐったりしていた。

ーーーーーーーーーーーーーー

「嫌われる勇気」との出会い

そんなときに出会ったのが、アドラー心理学を解説した『嫌われる勇気』だった。

そこで学んだのは、

  • 自分と他者のあいだに境界線を置くこと
  • 他者の課題に踏み込まないこと

最初は理解できない部分もあったが、何度も読み返すうちに、少しずつ腹落ちしていった。

ーーーーーーーーーーーーーー

境界線をひく練習

それから、わたしは境界線をひく練習をはじめた。

  • 他者の機嫌が悪いとき、その理由を考えない。それは他者の課題だから。
  • 誰かがなにかをしようとしても、アドバイスをしない(求められたときだけにする)。
  • 他者に「変わってほしい」と要望することもやめる。

わたしがすべきことは、自分のやることを淡々とやること。
ただ、それだけ。

ーーーーーーーーーーーーーー

少しずつ、自然に

思考を変える訓練を10年ほど続け、ようやく自然に境界線をひけるようになった。
すると、生きることが本当に楽になった。

思考の癖や価値観を変えるには時間がかかるかもしれない。
けれど、日々意識して過ごすことで、少しずつ変えていける。

「生きるのがつらい」と感じている人は、きっといろんなことを考えてしまう――やさしい人なのだと思う。(わたしも含めてね)

境界線をひくことは、相手を拒絶することではなく、お互いを尊重すること。
わたしはそう信じている。

いまのわたしは、野に咲く1輪の花のように、静かに、のびやかに生きていきたい。

ーーーーーーーーーーーーーー

Boundaries are not walls, but gentle lines that let us breathe.
(境界線は壁じゃなく、わたしたちが呼吸できるためのやさしい線なんだ。)

me / a.mélie
a.mélie
a.mélie
小さな気づきの日記|a.mélie
静かな日々の中で、ふと心が動いた瞬間を綴っています。 わたしにとっての「やめてみたこと」や「気づいたこと」は、 暮らしを軽くし、心を自由にしてくれました。 ここはそんな、小さな気づきの記録帳です。
記事URLをコピーしました